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「黒目が白く濁って大きくなってきた」「目が赤く、痛そうにしている」——それは緑内障(りょくないしょう)のサインかもしれません。 緑内障が進行すると視覚を失い、さらに強い痛みが続く目になってしまうことがあります。そんなとき、痛みの原因を取り除きながら見た目を保つ選択肢のひとつが「義眼手術(強膜内シリコンボール挿入術)」です。
この記事では、犬の緑内障と義眼手術について、実際の症例写真とイラストを交えて、飼い主様にもわかりやすく解説します。
犬の緑内障とは?目が大きくなる・痛がるサイン
目の中は一定の圧力(眼圧)に保たれていますが、この圧力が異常に高くなる病気が緑内障です。高い眼圧は視神経を傷つけて視力を奪い、強い痛みを引き起こします。進行すると眼球そのものが大きくなる「牛眼(ぎゅうがん)」の状態になることもあります。

イラスト:健康な目と緑内障の目。眼圧が上がることで白く濁り、充血し、目が大きくなります。
次のようなサインが見られたら、緑内障を疑って早めに受診してください。
- 黒目が白く・青白く濁る、目が普段より大きく見える
- 白目が真っ赤に充血する、目を痛がる・しょぼしょぼする
- 物にぶつかる、動きたがらない、元気・食欲が落ちる
柴犬やシー・ズー、アメリカン・コッカー・スパニエルなどは緑内障になりやすい犬種として知られています。とくに柴犬は日本で多く飼われており、注意したい犬種です。
急に発症する「急性緑内障」は、数時間〜数日で失明することもある緊急事態です。

見えない・痛い目になったら|3つの選択肢
緑内障が進行し、すでに視力が失われて痛みが続く目になった場合、その子の痛みを取り除いてあげることが最優先になります。主な選択肢は次の3つです。
どれが適しているかは、目の状態や原因(腫瘍・感染の有無など)を検査したうえで判断します。

点眼・内科治療を続ける

眼球摘出

【本記事のテーマ】義眼手術(強膜内シリコンボール挿入術)
義眼手術(強膜内シリコンボール挿入術)とは?眼球摘出との違い
義眼手術(強膜内シリコンボール挿入術)は、眼球の外側(白目や角膜)を残したまま、痛みの原因となっている中身を取り除き、代わりにシリコン製の義眼を眼球の中に入れる手術です。眼球そのものは残るため、目の丸みや動きなど自然な見た目を保ちやすいのが特長です。

イラスト:手術前(高い眼圧・痛み)→ 手術後(シリコン義眼を挿入し、痛みを取り除いて見た目を保つ)。
眼球摘出との違いは「見た目」です。眼球摘出は目を取り出してまぶたを閉じるため確実に痛みを取り除けますが、外見が大きく変わります。一方、義眼手術は眼球を残すため見た目の変化が少なく済みます。
ただし、目の中に腫瘍や重い感染がある場合などは、安全のために眼球摘出が選ばれることもあります。
対象となるのは、緑内障などですでに見えなくなり、痛みが続いている目です。目的は「痛みからの解放」と「見た目を保つこと」で、その子の生活の質(QOL)を上げることにあります。費用は検査・術式によって幅があるため、受診時にご案内します。
実際の症例(術前・術後・術後1ヶ月)
当院で義眼手術を行った柴犬の実際の症例です。
緑内障で白く濁り痛みのあった術前の目が、手術で落ち着き、術後1ヶ月には見た目も自然になっていく経過がわかります。




ずっと痛みのあった目から解放され、術後は表情も明るくなりました。緑内障で「見えない・痛い」目に悩んでいても、その子らしい毎日を取り戻せる選択肢があります。
※実際の症例写真です。経過・結果には個体差があり、すべての症例で同様の結果が得られることを示すものではありません。適応・術式は検査により判断します。
受診の目安|緑内障は早期発見がカギ
急性緑内障は数時間〜数日で失明することがある緊急事態です。できるだけ早く動物病院へ。
緑内障は早く見つけて眼圧を管理できれば、視覚を守れる可能性が高まります。すでに進行してしまった場合も、痛みを取り除く方法があります。「目の様子がおかしい」と感じたら、迷わずご相談ください。当院では眼科専門の検査・手術体制で、緑内障やその後の選択肢についてもご提案します。
眼科のお問い合わせ
愛犬の眼科診療について、DCC動物病院にご相談ください
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断・治療に代わるものではありません。掲載の機器説明・症例写真は効果や結果を保証するものではなく、手術の適応は検査により判断します。気になる症状がある場合は動物病院を受診してください。
