循環器科について
循環器科 専門診療担当獣医師
草刈 雄登
獣医師
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会、獣医腫瘍科認定医II種
麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
経歴
2018年 麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
2018年〜2022年 東京都内動物病院 勤務(2022年~ 循環器科科長)
2021年〜 麻布大学附属動物病院 循環器・呼吸器科(内科・外科)専科研修医
学会発表・講演歴
2022年 第117回日本獣医循環器学会 一般講演 口頭発表
「心外膜ペースメーカ植込み後に嘔吐を認めた超小型犬の1例」
2023年 第118回日本獣医循環器学会 一般講演 口頭発表
「心房中隔欠損症閉鎖後に右室左室拍出量不均衡により急性左心不全を発症した猫の1例」
2023年 DVMsどうぶつ医療センター横浜主催 メディカルフェスティバル
講演 「肺高血圧症のガイドラインを読んでみよう」
梅澤 むつき
獣医師
日本獣医循環器学会
麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
経歴
2022年 麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
2022年 麻布大学 大学院博士課程 獣医学研究科 入学
2022年~ 東京都内動物病院 循環器科診療
学会発表・講演歴
2022年 第117回日本獣医循環器学会 一般講演 口頭発表
「心外膜ペースメーカ植込み後に嘔吐を認めた超小型犬の1例」
2023年 第118回日本獣医循環器学会 一般講演 口頭発表
「心房中隔欠損症閉鎖後に右室左室拍出量不均衡により急性左心不全を発症した猫の1例」
2023年 DVMsどうぶつ医療センター横浜主催 メディカルフェスティバル
講演 「肺高血圧症のガイドラインを読んでみよう」
循環器科の診察の流れ
診察(問診・身体検査)
基本的に診察室で行いますが、緊急処置が必要な場合には、お預かりして緊急処置を優先して行うこともあります。
各種精密検査
お預かりして、画像検査や血液検査などの各種精密検査を行います。必要となる検査の種類や数により、必要な時間は異なります。
診断結果のご報告と治療方針のご相談、カウンセリング
愛犬、愛猫をお返しし、診断結果、治療方針のご説明をします。愛犬・愛猫とご家族に寄り添った治療法のご提案をさせていただきます。
循環器科精密検査
循環器科では、各種精密検査を必要に応じて選択して行います。
循環器精密検査の様子
診察(問診・身体検査)
ご家庭での様子や症状の変化、これまでの治療内容をお伺いします。視診や触診で呼吸の様子、脈圧の変動や脈拍数などを観察するほか、心音や肺音の聴診も丁寧に行い、状態を把握します。
血液検査
循環器科診療では、心臓病以外の病気の存在を把握することがとても重要です。主に、心機能に影響する内臓や内分泌(ホルモン)の疾患や、心臓病の治療に影響する疾患などが隠れていないか確認します。
胸部X線検査
二方向から胸部の撮影を行います。心臓のサイズや形を評価できるだけでなく、血管の太さや走行の異常や肺や気管、気管支などの呼吸器の異常の有無、胸水の貯留の有無など、多くの情報が得られます。咳がある、呼吸が苦しそうといった呼吸器症状の原因を突き止めるのにも大変有効な検査です。
心臓超音波検査(心エコー検査)
心臓が動く様子をリアルタイムで観察して心臓病の診断を行い、心機能や病気の重症度を評価します。心臓を様々な角度から観察し、収縮や拡張のしかた、心房や心室の様子、心筋や弁の動きや形態、腫瘍や血栓の有無のほか、血流速度や逆流の有無なども把握できるなど、非常に多くの情報が得られます。
血圧測定
四肢や尻尾にカフと呼ばれる装置を装着し、できるだけ安静にした状態で血圧を測ります。高血圧は、心臓だけでなく様々な臓器に大きな負担をかけるため、定期的に血圧を確認することは大切です。
心電図検査
不整脈の有無やその種類を診断し、心臓に負担がかかっている部位を判断するための検査です。失神などの症状がある場合に、その原因を特定するために行う検査のひとつです。
循環器疾患(心臓病)をうたがわせる症状
散歩で歩きたがら
なくなった
咳が出る
興奮すると
苦しそうになる
失神する
体がむくんでいる
循環器疾患(心臓病)の例
僧帽弁閉鎖不全症
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、左心房と左心室の間の弁(僧帽弁)に異常が起こる心臓病です。僧帽弁がうまく閉じなくなることで、左心室から左心房へ流れる血液で逆流が起こり、血液を効率よく全身に送り出せなくなります。
病気は進行性で、進行すると「動きたがらない」「咳が出る」「呼吸困難」「チアノーゼ(酸素不足で舌などの粘膜が紫色になる)」「突然倒れる」などの症状がおこります。
当院の循環器科では、僧帽弁閉鎖不全症の愛犬の内科管理のご提案をいたします。残念ながら内科管理での根治はできませんが、ご家族と愛犬のQOL(生活の質)に配慮し、必要に応じた定期的な検査やカウンセリングを行い、ご家族に寄り添った治療をすすめてまいります。
動脈管開存症・肺動脈弁狭窄症など(先天性心疾患)
動脈管開存症、肺動脈弁狭窄症などの先天性の心臓病のには、進行性で早期治療が必要なものもあれば、積極的な治療を行わなくても大きな問題なく暮らせるものもあります。そのため、適切な検査と治療方針の見極めが大切です。
犬の先天性心疾患で最も多い動脈管開存症は、母犬のお腹の中にいる時期に存在し、出生後に閉鎖するはずの動脈管(大動脈と肺動脈をつなぐ血管)が、閉鎖せずに残ってしまう病気です。この病気は、手術によって良好な経過となり、寿命を全うできる可能性が高いことが知られています。
当院では、心臓エコー検査をはじめとした各種検査結果をもとに、治療方針を慎重に検討します。診察を御希望の方はご相談ください。
肥大型心筋症
心筋症は、心臓の筋肉の異常により、心臓のポンプ機能が低下する病気です。
猫の肥大型心筋症は、心筋が厚くなって心臓の内腔を広げる機能がうまく働かなくなり、「動きたがらない」「呼吸困難」などの症状を起こす病気です。深刻な血栓症を起こしやすく、後肢の血管に血栓が詰まると、後肢が突然動かなくなります。
当院では、猫の肥大型心筋症に対する内科治療に対応します。心筋症の根治はできませんが、定期的な検査とカウンセリングを行い、愛猫ができる限り良い状態で過ごせるよう、愛猫にあわせた治療プランをご提案します。血栓症に対しては、状況により、血栓溶解剤などによる治療を行うほか、血栓を取り除く手術を行うケースもあります。
拡張型心筋症
心筋症は、心臓の筋肉の異常により、心臓のポンプ機能が低下する病気です。
ドーベルマンなどの犬の拡張型心筋症は、心臓の収縮力が弱くなることで心臓の内腔が広ががりすぎてしまう病気で、「失神」「不整脈」「突然死」の原因となることがあります。この心臓病は、長期にわたり無症状で経過するため、症状がみられた時には、かなり進行した状態であることも多々あります。
当院では、犬の心筋症に対する内科治療のご提案をいたします。心筋症を根治することは残念ながらできませんが、定期的な検査とカウンセリングを行い、愛犬ができる限り良い状態で過ごせるよう、愛犬にあわせた治療プランをご提案します。
不整脈
犬や猫の不整脈では、拍動が異常に速くなったり、遅くなったりするなど、リズムが不規則になります。結果として血液をうまく送り出せなくなり、脳や体に血液が十分行きわたらなくなるため、「元気消失」「失神」「ふらつき」「呼吸困難」などの症状のほか、突然死につながる場合もあります。
不整脈を起こす病気は様々で、すぐに治療する必要のある不整脈もあれば、その場では治療を開始せずに経過観察を行う不整脈もあります。また、心臓以外の基礎疾患が原因の不整脈もあります。そのため、適切な診断のうえで治療を行うことが重要です。
当院では、不整脈に対する診断と治療に対応しております。愛犬・愛猫の不整脈の治療を御希望の方は、ご相談ください。
心臓腫瘍
心臓にできる腫瘍は、心臓が原発のものもあれば、転移によるものもあります。犬の原発性の心臓腫瘍の多くを占めるのは血管肉腫と呼ばれる腫瘍で、非常に悪性度が高い腫瘍のひとつです。
原発性の心臓腫瘍に対しては、明らかな転移がなく、腫瘍が心臓の一部分にとどまっていれば、切除手術を行うことがあります。また、状況によっては、抗がん剤治療を行うこともあります。
心臓腫瘍により、心嚢液が貯留して心臓が圧迫される「心タンポナーデ」と呼ばれる状況になる場合は、心膜の切除術を検討することもあります。
当院では、各種検査結果をもとに手術の適応や予後について慎重に検討し、愛犬ができる限り良い状態で過ごせるような治療プランをご提案します。
診療予約
よくあるご質問
一般診療は予約不要ですが、ご予約の方を優先するシステムとなっている動物病院もございます。専科診療やセカンドオピニオン、手術など、一部の診療は予約制です。詳しくは、受診を希望される動物病院のHPをご確認ください。
予防接種(ワクチン)のページをご確認ください。
診療時間中の急患対応をご希望の方は、受診を希望される動物病院へお電話をお願いします。診療時間外の対応や夜間診療、時間外料金などの詳細につきましては、各動物病院のHPをご確認ください。